こんにちは!日野 里映(ひの りえ)です。
「ヒトはいじめをやめられない」という本を読みました。
この本は、「いじめと脳科学の関係、いじめの回避策を脳科学から考える」本です。
「ヒトはいじめをやめられない」
教員としても親としても衝撃的な題名ですが、これは真理でしょう。
学校、職場、ママ友どこへ行ってもいじめはあると思います。
ヒトはどうしてヒトをいじめてしまうのか。
それを脳内ホルモンから書いてある稀有な本です。
そしてなくならないいじめの回避策はなんなのか?
この本にはいじめをやめられない心理が書いてありますが、
特に印象に残ったことを紹介します。
① オキシトシンがいじめを助長する
オキシトシン=相手への信頼感や安心感が生まれ、ストレスを緩和すると言われているホルモン。「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれている。
このオキシトシンが、仲間意識を高めすぎてしまうことで排外感情が生まれいじめにつながる、助長するそうです。
(気づき)
この本を読んでいてまず驚いたのが、ここです。
人とのスキンシップや、ペットをなでることで出てくるとされるオキシトシン(今までいろんな本を読んでいていいことしか書いてなかったので、いいイメージしかなかったです。)が、高まりすぎることでいじめが生まれるとは!!
仲間意識が強い人こそいじめる側になるということ、教員の立場として「仲間意識を高めすぎてはいけないの??」、「私が今までやってきたことは間違ってたの??」と疑問でいっぱいになりました。
② いじめが増える時期は、6月と11月
セロトニン=感情や気分のコントロール、精神の安定にふかく関わっているホルモン。
学校で学級崩壊が増えたりいじめが発生しやすい時期は、6月と11月と言われる。
日照時間が変わる時期にあたるので、セロトニンの分泌量が減り、その結果不安が高まるから。
(気づき)
こちらもかなり印象的でした。
セロトニンといえばハッピーホルモンとも言われ、不足するとうつ病になると言われています。
脳内ホルモンがここまで人間の心理に影響を与えていたとは。
教員として、この時期には特にセロトニンを増やす生活を子どもたちに送らせる必要があると思いました。
セロトニンを増やす方法は①太陽の光を浴びる。②リズム運動をする。③トリプトファンを含んだ食事をする。
一緒に校庭に出て運動をする機会を増やすといいと思いました。
トリプトファンはセロトニンの材料です。肉類、魚介類、チーズ、ごま、納豆、炭水化物に含まれています。
今はまさに11月。これから日照時間が減る時期です。
保護者として気をつけることは、この時期はセロトニンが不足しないように屋外で一緒に運動、散歩などをしたり、食べ物を咀嚼したり、表情に気を配ったりする必要があると思いました。
これからの冬、日光不足にならないように気をつけましょう。
③どうやったら「いじめ」を避けられるの?
結局知りたいのはここでしょう。いじめの回避策です。
著者は「教室という狭い空間に、類似性の高い集団、年齢も通学する目的も同じ子どもたちが長時間押し込まれていることで、妬みの感情や、排除行為が起きやすい環境が作られているのなら、学校を存続させることの意義よりもずっと重いリスクがそこにあるということになるのではないでしょうか。」と書いています。
(気づき)
私も同感です。
日本の今の学校制度はもともと将来優秀な兵隊を作るために作られたものです。
個性を抑えて、集団優先、協調性のある子どもを育てています。
個性を大切に、自分の意見をもとう、子ども主体の学習をしよう、などと言われていますが、
結局、集団優先なんです。
特に運動会、学芸会などのイベントには一致団結して取り組みます。
そういうのが好きな教師や、それについてこれる子供にとっては楽しくてたまらないでしょう。
しかし、それについてこれない子供たちがかわいそうでなりません。
運動会の練習では教員による厳しい叱責も日常茶飯事で行われています。どこの学校でも。
自分が叱られたわけでもないのに、それにより学校に行けなくなった子供もいると聞きました。
同調圧力が強い日本の学校。
いじめで命を落としている子供もいる。
学校を変えるときが来ているのかもしれません。
まとめ
教師としても親としてもグサーっと刺さる刺激の強い本でした。
読んでから、しばらくは感想が書けませんでした。
学級担任をしているときは、どうしてもクラスの一体感を高めてしまいます。
一体感を高めることはいいことしかない、と思っていました。
一体感を高めることで「いじめ」が生まれているとしたら、こんなに悲しいことはありません。
「一体感」とか「集団意識」とか学校で当たり前にやっていることに深く考えるきっかけを与えてくれた本でした。
子供達の様子に絶えずアンテナを張って「一体感」や「同調圧力」が高まりすぎていないか確認しながら生活していきます。