こんにちは!日野 里映(ひの りえ→プロフィールはこちら)です。
9月3日に衝撃的なニュースが入ってきました。
ニュースの概要
要約すると、以下になります。
国連児童基金(ユニセフ)は3日、先進・新興国38カ国に住む子どもの幸福度を調査した報告書を公表。
日本の子どもは「身体的健康」は1位なのに、「精神的な幸福度」が37位と最低レベル(後ろから2位)だった。
教育評論家の尾木直樹さん(尾木ママ)は、日本の学校現場を「いじめ地獄」と表現。
「子どもの自己肯定感が低く、幸福感が育たないのは必然的」と指摘しています。
慈悲の瞑想
わたしは、毎日「慈悲の瞑想」をしています。
わたしが現在関わっている子どもや過去に関わった子どもの幸せを祈っています。
わたしが関わっているすべての子どもたちが幸せになるために、わたしは教員をしています。
きっと他の教員も同じ思いのはず。
なのに、こんな結果が出てしまって残念だし、自分が情けなくもなりました。
ただ、実際の学校生活を見ていて「子どもって大変だなぁ」と思うこともしばしば。
日本の子どもたちの幸福度が低い理由をわたしなりに考察してみます。
日本の子どもの幸福度が低い理由
同調圧力(どうちょうあつりょく)
1番はこれ↑でしょう。
「同調圧力」がすさまじいのです。
「同調圧力」とは、少数意見を持つ人がいる場合に、多数意見に合わせるよう暗黙のうちに強制すること。
仕事が早く終わっても自分だけ帰ることはできない、というのも同調圧力にあたります。
(こういう教員もすごく多い。わたしからしたら自分の時間を大切にしていない人とみなしますが。)
以前、担任したクラスの子どもたちに何かの授業で「友達にそういう人だと思われると嫌な言葉は何?」と問う授業がありました。
数枚のカードから1番嫌な言葉を選ばせるのです。
カードは5枚あり、わたしが覚えている項目は「まじめ」と「マイペース」。
わたしは、「まじめ」のカードを選ぶ子が多いだろうと予想しました。
が、「マイペース」が1位だったのです。
これには心底驚きました。
人と違うことをしていると思われるのを極度に恐るのです。
この「同調圧力」により「いじめ」は発生します。
要は、人と違う人を排除するのが「いじめ」ですから。
スクールカースト
これ↑もどこでもあります。
「スクールカースト」とは、児童生徒の間で自然発生する人気の度合いを表す序列のこと。
インドのカースト制度(身分制度)のようだと名付けられています。
こちらもより上位の子が下位の子を小馬鹿にしたりして「いじめ」が発生する原因になります。
部活の変な上下関係
これは小学校よりも中学校・高校での話でしょう。
先日、ラジオを聴いていたら「変な部活の習慣」を紹介していました。
椅子の3分の1しか座ってはいけない吹奏楽部とか、運動部なのに水を飲まさないとか。(今はないでしょうけど)
ブラック企業になぞらえてブラック部活と言ったりします。
子どもも大変ですが、中高の先生はブラック部活で土日がなく、働き方改革が必要だと思います。
わたしが中学生の時は部活は全員参加でした。
それも今考えるとおかしい。
宿題・習い事が多い
これは、わたしの実体験です。
まず習い事です。
高学年になると、毎日のように塾や習い事に行っている子がいました。
放課後休みなしとか。
本人が好きで行っているならいいんですが、親の強制も多かったように感じました。
あと宿題。
学校もなんだかんだで終わるのが遅いし、習い事で忙しい子も多い。
加えて「小学校の宿題はあまり意味がない、むしろ勉強嫌いにさせているよ」という研究結果もあり、わたし個人としては宿題はなるべく減らしてあげたいと思っています。
が、学年で合わせないといけない宿題も多く、そうもいかないのが実情です。
百歩譲って宿題は仕方ないとしましょう。
とても納得いかないのは「自主学習」です。
「自主学習」とは本来は字の通り、自ら進んでやってくる学習のこと。
おそらく秋田県の教育方法が発端なんでしょうけど、やたら「自主学習」させたがるのが、ここ数年のトレンドのような気がします。
本当に自主学習ならいいんですよ。
宿題をやってさらに時間的に余裕があり、やる気のある子が「自主的に」やってくるのが「自主学習」ですから。
でも実際は違うのですよ。
先生によっては、はっきりこう言っている人がいました。
「自主学習」と言っているけど、宿題と同じです。
絶対にやらなければいけないのです。
絶対に毎日なにかやってきて持ってきてください、と。
いやいやいや、それはおかしいでしょう。
「自主学習」じゃないやん。
勉強ができる子はいいんですよ。
でも宿題だけで精一杯って子もたくさんいます。
そんな子はどうやって学校生活をやっていけばいいんでしょう??
運動会の厳しい練習
秋です。
もうすぐ運動会がやってくる、という自治体も多いでしょう。
運動会と言えば厳しい練習。
怒鳴る教員。
それに酔いしれている教員。
なぜかついてきている子どもたち。
じゃあ、どうすればいいの?
なんだかいろいろ学校のマイナス面をあげてしまいました。
もちろんわたしにも責任の一旦はあります。
微力ですが、わたしにできること・やってきたことを書いてみます。
多様性
まず「多様性」を教えること。
世の中にはいろいろな人がいるよ。
いろいろな人がいていいんだよ、と。
性教育をした日にはLGBTについても話を広げてみました。
人と違うことがかっこいい
人と同じことしていたら、突き抜けることはできないよ。
人と違うことをするから、いいものって生まれるんだよ。
みんなと仲良くなんてできない
3年生以上には、はっきりと伝えます。
先生は、このクラスに縁があってみんなが集まってきてくれてるとは思う。
できれば、仲良くなって欲しいと思っている。
けれども、人間だもの。
とても気が合うな〜って人もいるけど、そうでない人もいる。
それでいいんだよ。
ただ苦手だからって失礼な態度を取ったり、嫌なことをするのはもちろんいけないこと。
苦手な人にもクラスメイトとして丁寧に接してくれれば、無理に「仲良くしなくちゃ」なんて思わなくていい。
クラスの一体感を高めすぎない
わたしが「いじめ」防止策としてやっているのがこれ↑。
この本を読んでから、クラスの一体感を高めすぎないようにしています。
(なかなか難しいのですよ)
この本を読むまでは、何かの行事でクラスの一体感を高めるのがむしろ楽しみでした。
それにより子どもたちがついてきてくれて、クラスが一つになるのが快感だった。
多分そういう教員も多いでしょう。
けれども一体感を高めると、それについてこれない子は落ちこぼれる。
そう、クラスに落ちこぼれるのです。
そういった子は、教員を含めて「クラスの一体感」から排除される。
そう考えると、学校の「クラス」というものについても考える時期がきています。
まとめ
なかなか普段書かない系統の記事を書いてみました。
本当にこのニュースは衝撃的だったので。
わたしとしては、もっともっと外国の(特に1位のオランダをはじめヨーロッパの)教育について学びます。
日本の教育にいかせることがあれば、取り入れます。