『私たちは子どもに何ができるのか』(ポール・タフ 著)〜非認知能力を高めるために

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こんにちは!日野 里映(ひの りえ→プロフィールはこちら)です。

 

『私たちは子どもに何ができるのか』という本を読みました。

この本は、「子どもの非認知能力を高めるためにどうしたらいいか解決する」本です。

目次

『私たちは子どもに何ができるのか』

『私たちは子どもに何ができるのか』

この本は子どもたちに必要な能力・非認知能力についての本になります。

非認知能力=ひとつのことに粘り強く取り組む力や、内発的に物事に取り組もうとする能力。

認知能力=IQや学力

「認知能力」はいわゆる学校で習う勉強のことになります。

「非認知能力」は直接学校では教えてはいないけれども、普段の生活の中で育める能力のはず。

この本はアメリカの事例なので、日本ではちょっと違うな〜?というのが実際の学校現場を少しは知っているわたしの感想。

ですが、「非認知能力」はこれからますます必要になる能力であることに間違いはありません。

「非認知能力」を高めるために日本でも使えそうなものを3つ紹介します。

①アタッチメントの形成

なんだか教育学の授業のようですが、「アタッチメント」とは「愛着」のこと。

アタッチメントが形成されなかった子どもを「愛着障害」と言ったりもします。

生まれて最初の12ヶ月のうちに温かく気配りの行き届いた子育てを経験した子どもは、多くが親と強い結びつきを形成する。

当たり前といえば当たり前ですが、一般的な子育てにより「アタッチメント」が形成されるということです。

最初の12ヶ月という研究結果が出ていますが、もし最初の12ヶ月を一緒に過ごせなくても(病気か何かで)その後、一般的な子育てをすれば十分取り戻せるのでは??とわたしは思います。

 

②「自律性」「有能感」「関係性」

今度は赤ちゃんではなく、もっと大きくなってからの話です。

「自律性」「有能感」「関係性」を促進する環境を教師がつくりだせば、生徒のモチベーションはぐっと上がるというわけだ。

わたしの教育のモットーは「2つのじりつ」

「自立」と「自律」。

「自立」は自分のことは自分でできるようになること。

「自律」は自分で自分をコントロールできるようになること。

このうちの一つが入っているというのは嬉しいことでした。

 

この本の「自律性」の意味はもっと生徒が自分の意志でやっているという実感を持たせることだそうです。

「有能感」は「自分はできる」という感覚を持てること。

「関係性」というのはこの場合は教師との関係性。

つまり教師から好感を持たれているか?価値を認められているか?ということ。

 

このような環境を教師が作ることの大切さが述べられているのです。

これは学校の教員の仕事です。

③学業のためのマインドセット

学業のためのマインドセット(心のありよう)4つは以下になります。

 

①私はこの学校に所属している

②私の能力は努力によって伸びる

③私はこれを成功させることができる

④この勉強は私にとって価値がある

 

ここでわたしが驚いたのは①です。

②、③、④は粘り強さや自分から進んでやる力である「非認知能力」を高めるために必要なことなんですが、①は毛色が違います。

学校に所属している感覚というのが「非認知能力」を高めるために必要なんですね。

わたしが思うに、そんなに必要ないことのように思うんですが、何かに所属しているという帰属意識は意外に必要なことなのかもしれません。

コロナの休校中の子どもたち、学校再開してからの子どもたちを見ているとそう感じました。

まとめ

今回は『私たちは子どもに何ができるのか』を読みました。

子どもたちに必要な「非認知能力」=粘り強くやれる力、内発的にやれる力を高める方法が知りたくてこの本を読みました。

日野 里映
学校教育の力が大きいですね!

今はオンライン授業なども注目されています。

学校に行きたくない子どもや行けない子どもも平等に授業を受けることができると肯定的に思われているし、わたしもそう思っていました。

が、オンライン授業でどこまで「学校に所属している感覚」が育つのかはわかりません。

この本は読んでも読んでもあらたな疑問が出てくる本でもありました。

わたしも考え続けます。

特にコロナで学校教育も大きく替わろうとしているのですから。

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